特徴
医療・福祉科学コースは、医用、福祉系機器の、 専門的エンジニアとして活躍することを第1の目的としています。 本コースは「職業実践専門課程」の対象コースとなっています。
1学年では
電子及び電気の基礎科目を中心に学びます。また、「工事担任者第1級デジタル通信」の 国家資格の長期養成課程の授業が組み込まれ、1年次の前期において、授業修了時に国家資格が付与されます。
2学年では
専門となる医用電子系及び福祉機器系の科目を中心に学びます。 更に、広くエンジニアとして対応できるように、医用・福祉機器以外のエレクトロニクス専門科目が用意されています。
カリキュラム
このコースの目標資格
進路
資格をフル活用する
通信工事
工事担任者の資格を用いて光ファイバやデジタル通信回線等の通信工事を行うスペシャリスト
電気通信建設会社や通信工事会社において活躍します
医用・福祉機器等の電子職人を目指す
設計・修理エンジニア
主に医用・福祉機器のメーカーで自社の機器の設計や修理に携わるエンジニア
さまざまなメーカーでエンジニアとして活躍します
Voice&Gallary
電気および電子に関する基礎科目
専門的な知識を習得するうえで必要となる電気や電子に関する専門基礎科目と数学や英語等の一般基礎科目を学びます。
科 目 | 概 要 |
---|---|
英語 |
英語のマニュアル等を読むことが できるようになることを目的としています。 |
数学 |
電気電子分野において必要とされる 三角関数・複素数・指数関数 対数関数など高校の復習から始め、 専門分野が理解できるように学びます。 |
物理 |
半導体の理論及び部品の原理、 電子管の基礎的事項及び応用について学びます。 無線技術士の「無線工学の基礎」に対応できる知識を習得します。 |
電気磁気学 |
静電気・磁気の様々な基礎理論を学び、 無線技術士の「無線工学B」に対応できる知識を習得します。 |
電気磁気測定 |
電気系及び電子系の基本的な測定方法を学び、 無線技術士の「無線工学A」・「無線工学B」の 高周波測定に対応できる知識を習得します。 |
電子工学Ⅰ |
ダイオード、トランジスタを用いた 電子回路の基礎を学び無線技術士の 「無線工学A」に対応できる知識を習得します。 |
電気回路 |
直流回路、交流回路など電気全般の 基礎となる電気回路を学びます。 |
デジタル回路 |
ブール代数の論理式やデジタル回路の記号 と回路の基礎を学び、回路の実習を通して 理解を深めます。 |
情報工学Ⅰ |
コンピュータのハードウェアと ソフトウェアについての概論を学びます。 |
プログラミング |
アルゴリズムとプログラミングの基礎について、 実習を通して理解を深めます。 |
マルティメディア概論 |
情報、通信、放送、家電の分野に おける機器の原理やシステムの概論について学びます。 |
有線電気通信工学 |
電送理論、電話機理論、通信網、交換方式、 変調方式、中継方式、各種搬送電話方式など、 工事担任者養成授業に対応した授業を行います。 |
データ通信工学 |
デジタル通信回線の方式やデータ処理など 工事担任者養成授業に対応した授業を行います。 |
電気電子基礎実験 |
電気や電子の理論や測定方法を実際に実験を通して理解を深めます。 |
医療及び福祉機器に関する専門科目
医用電子機器工学及び福祉機器工学に関する
専門的な内容を学びます。
科 目 | 概 要 |
---|---|
超音波工学 |
超音波は計測分野での利用が主となってい ます。従って,ここでは超音波計測の原理、 応用について具体例などを学習します。 |
解剖生理学 |
骨,筋肉、神経系などの人体の生理構造につ いて学習します。 |
臨床医学概論 |
さまざまな疾病の症状、原因、治療方法、 及び臨床検査の方法について学びます。 |
医用演習 |
医用機器を実際に使用して、自分たちの体 の状態などを測定します。それによって、 医用機器の使用法やあり方を学習します。 |
生物学 |
生物はどのようにして代謝を行っているの か,どのようにしてエネルギーを変換して いるのかとのように増殖するのか等につい て講義します。 |
生化学 |
生命の基礎的な現象を科学的に理解できるように学びます。 |
分子生物学 |
生命現象について学びます。 |
微生物学 |
微生物全般の中で、有用な微生物、病原性 を持つ微生物など個別に学び、知識を深めます。 |
遺伝子工学 |
遺伝子組み替えの技術、及びそれを応用す ることによって有用な物質の生産、病気の 治療品種改良等を行う方法について講義を 行います。 |
社会福祉概論 |
現代社会における社会福祉のあり方を模索 できるよう、社会福祉の全体像を概括的に 把握し、理解できるように学習します。 |
障害者福祉論 |
障害者の実態を知り、社会生活との関わり、 障害者施設の現状を学びながら障害者福祉 の意義を理解します。 |
放射線概論 |
ここでは工業用X線技師の資格をとるため に必要な知識を学習します。また、基礎的 な放射線の発生原理、測定法などについて も学習します。 |
医用電子・福祉機器工学 |
生体の電気信号への変換手法から、その電 気信号を応用して作られた医用電子装置 (心電計、脳波計、心音計、筋電計、CC U等)について学習します。また、各種福 祉機器のあり方から機能,使い方まで学習 します。更に、第2種ME技術実力検定の 資格取得を目的として、学習、演習も行います。 |
エレクトロニクス専門科目
無線関係科目以外のエレクトロニクスの分野における専門科目です。
幅広く電子機器に関する知識を習得することを目的に開講されています。
科 目 | 概 要 |
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制御工学 |
フィードバック制御の基礎と応用について学びます。 |
情報工学Ⅱ |
アルゴリズム概念を基礎に、C言語を使っ たプログラミング法を学習し、マシンコン トロール処理等の実習を行います。 |
CAD |
AutoCAD ソフトを使用し、作図法やCAD のための図形処理技法について実習しなが ら学びます。また、実際に設計図面等を作図します。 |
アナログ工学 |
オペアンプによるアナログ回路の 基礎と応用を学びます。 |
特殊無線技士養成授業
国家資格である第1級陸上無線技士と第3級海上無線技士の総務省認定の長期養成授業です。 この授業は、無線に関する専門科目の中の授業として組み込まれています。前期終了後、2つの国家資格の免許が付与されます。
特殊無線技士とは
電波利用技術の進展に伴い、各種の小規模な無線局が経済社会活動の中の様々な場面で利用されるようになってきたことから、それらの無線局に配置を要する無線従事者の資格取得を容易にするため、その利用する無線局の種類、無線設備の周波数、空中線電力等の操作をすることができる範囲を限定し、あるいは技術操作をすることができる範囲を外部の転換装置に限定する等により、設けられて資格です。なお、陸上特殊無線技士の資格は、陸上の無線局の操作を行うためのものですが、放送局や海岸局、海岸地球局、航空局、航空地球局、無線航行局等の操作を行うことはできないことになっています。(出典:日本無線協会HP)
第1級陸上特殊無線技士とは、電気通信業務用、公共業務用等の多重無線設備の固定局、基地局等の技術操作で、30MHz以上の電波を利用する空中線電力500W以下のものに限ります。活躍できる場は、放送局(TV中継)、電気通信事業者、無線中継所、防災行政無線などです。
第3級海上特殊無線技士とは、船舶局の無線設備の国内通信のための操作であって、25,010kHz以下の電波を利用する空中線電力5W以下の無線電話、船舶局の5kW以下のレーダーの操作ができます。プレジャーボート(マリンVHF)、沿岸小型漁船などで活用されます。
工事担任者養成授業
国家資格である工事担任者第1級デジタル通信の総務省認定の長期養成授業です。 所定の時間数の授業を受け、修了試験に合格すると、免許が付与されます。
工事担任者とは、電気通信の設備工事・監督を行うための資格で、設備工事の現場に工事担任者がいなければ、工事できません。種別は第1級及び第2級アナログ通信、第1級及び第2級デジタル通信、総合種があります。第1級デジタル通信はデジタルデータ通信に関する通信設備工事・監督を行うために必要な資格です。種別によって取り扱えるデジタル回線の数やデータ伝送の速度に制限がありますが、第1級デジタル通信は、それらの制限がありません。
学ぶ内容
電気通信の基礎
電気・電子の基礎理論、伝送理論について学びます。
電気通信の技術
ネットワークの技術、端末設備の技術、接続工事の技術、情報セキュリティについて学びます。
電気通信の法規
電気通信事業法及びこれに基づく命令、有線電気通信法及びこれに基づく命令、不正アクセス禁止法、電子署名及び認証業務に関する法律及びこれに基づく命令について学びます。
電気施工管理技士とは
:建設管理センター 近年の電気設備の高度化、大型化等の傾向の下で、電気工事の適正な施工の確保を目的に、建設業法施行令が改正され、昭和63年度より「電気工事施工管理技術検定」制度が発足しこの検定合格者に付与される大臣資格です。
2級電気工事施工管理技士の資格を取得している場合には、一般建設業の営業所で専任技術者の職につく事ができます。
試験科目
電気工学等
施工管理法
法規
実地試験
電子機器組み立て技能士とは
技能検定とは、働くうえで身につける、または必要とされる技能の習得レベルを評価する国家検定制度で、機械加工、建築大工やファイナンシャル・プランニングなど全部で128職種の試験があります。試験に合格すると合格証書が交付され、「技能士」と名乗ることができます。 電子機器組立て技能士(でんしききくみたてぎのうし)とは、国家資格である技能検定制度の一種で、都道府県職業能力開発協会(問題作成等は中央職業能力開発協会)が実施する、電子機器組立てに関する学科及び実技試験に合格した者をいいます。 電子機器組立て及びこれに伴う修理に必要な技能を見極める検定試験で、有線通信機器、無線通信機器、工業計測器、卓上電子計算機、テレビなど、電子回路を内蔵しているあらゆる機器について共通する、基本電子回路の技能が問われる。 おもにプリント配線にトランジスタ、ダイオード、ICなどを取り付け、端子間に配線、束線を施し、ハンダ付けをする作業を対象にしています。
本校では電子機器組み立て技能士の 2級の受験資格を取得できます。
試験科目
学科試験
電子機器
◎ 電子機器用部品の種類、性質及び用途
◎ 電子機器の種類及び用途
電子及び電気
◎ 電子とその作用
◎ 電気及び磁気の作用
◎ 電子回路
◎ 電気回路
組立て法
◎ 電子機器の組ての方法
◎ 電子機器の組てに使用する自動機及び器工具の種類及び使用方法
◎ 手仕上げ
◎ 電子機器の計測
◎ 工作測定の方法
◎ 品質管理
材料
半導体材料、導電材料、抵抗材料、磁気材料及び絶縁材料の種類、性質及び用途
製図
日本工業規格に定める図示法、電気用図記号及びシーケン制御用展開接続図
安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識
実技試験
電子機器組立て作業
シャーシ、プリント配線板、IC、トランジスタ等の部品を用い、束線は束線図を参考として束線を作製し、省エネコントローラの組立てを行う。
職業訓練指導員とは
公共職業訓練及び認定職業訓練において、訓練を担当する者をいいます。その業務は、公共職業能力開発施設等において、職業のための技能や知識を指導したり、働く人々や産業界が求める教育訓練の内容を的確につかみ、キャリア形成に関する相談支援や教育訓練プログラムにまとめあげる事等です。 原則として、普通職業訓練を担当する職業訓練指導員は、担当する訓練科に対応する職種の職業訓練指導員免許を受けた者でなければなりません 職業訓練指導員になるには、職業訓練指導員免許を取得し、職業能力開発施設を運営する機関が実施する採用試験を受験し、採用されることが要件になります。 職業訓練指導員免許は、免許職種に関する専修学校(2年制又は3年制)の卒業者で実務経験3年又は2年を経たものとなります。
第2種ME実力検定試験とは
この試験は「ME機器・システムの安全管理を中心とした医用生体工学に関する知識をもち、適切な指導のもとで、それを実際に医療に応用しうる資質」を検定するものです。試験範囲はICU・CCU、手術室、透析室、検査室、滅菌材料室、病室、診察室などの医療の現場(在宅を含む)で使用されている機器・システムを安全に正しく運用するために必要な基礎的事項について出題されます。また、実際的知識として医療の現場で使用される機器・システムについて、次のような知識が問われます。機器・システムには心電計、脳波計、筋電計、生体情報モニタ、血圧計、血流計、呼吸計測装置、各種血液ガス分析装置、医療画像診断装置(超音波診断装置、X線CT、PET、MRIなど)、麻酔器、電気メス、レーザメス、除細動器、人工呼吸器、血液浄化装置、体外循環装置、ペースメーカなどが含まれます。受験資格に制限はありません。
試験範囲
基礎的知識
MEの基礎となる医学的知識
循環、呼吸、代謝、脳神経、運動、感覚、内分泌などの解剖や生理に関する基礎的知識、医療制度や公衆衛生に関する基礎的知識
MEの基礎となる理工学的知識
直流・交流回路、増幅器、フィルタ回路などの電気・電子回路、流体力学、粘弾性、化学式、熱力学、コンピュータ、などに関する基礎的知識
MEの基礎的知識
生体の物理的特性(電気、力、流体、温熱、音響、光、放射線など)および化学的特性、生体計測の原理、単位や定数、変換素子の基礎的知識
実際的知識
原理、構造に関する知識
機器・システムの原理、構造、性能など(JISを含む)
操作、運用に関する知識
操作法、校正法および消毒・滅菌、保管手段、日常点検、トラブル対策など
保守、点検に関する知識
漏れ電流、接地抵抗、絶縁抵抗などの安全点検および機器の機能点検、主要な故障診断法とそれにともなう測定器の使用法など
安全性、信頼性に関する知識
電気的安全性(ミクロショック、マクロショックなど)についての対策に関する事項、爆発、火災、熱傷、機械的破壊などの物理的化学的エネルギーに対する対策、電磁両立性(EMC)、故障率、信頼度など
病院設備に関する知識
電気設備(接地、非常電源、非接地配線)、医療ガス設備など
国費留学生 フィリピン
ESTERON ROGEN NUALDA さん
に内定
フィリピンでは電子関係の仕事をしていました。
日本でより深く電子情報の勉強をして、日本の
企業に就職することが夢でしたが、それを叶え
ることができました。皆さんもあきらめずに
頑張ってください。
医用工学系科目担当 中道 和則 先生
医用機器メーカで活躍する人材を育てる
医療技術の発展に伴い、医療機器も進化しています。
様々な医療福祉機器は高度な電子技術の賜物だと
いえます。医療福祉機器を開発したり操作したり
する技術者は、高齢化社会となった今、ますます
活躍の場が提供されていくでしょう。最新の
医療機器が充実した本コースで、実社会に役立つ
エンジニアを目指してください。